江本昌子の「ぶちおきゃん!マチャコの思い出話」 第48回「バス」  江本昌子公式ホームページ

江本昌子の

著者:江本昌子

第48回「バス」

毎週木曜日更新

作者へのお便りをお待ちしてます。

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友人と居酒屋で待ち合わせをした。
約束の18時までたっぷり時間があったので運動がてら歩いていく事にしよう。坂の上の家から駅近くの繁華街まではおよそ30分だもん、お腹をすかせておいしく飲み食いするのだあ!と、はりきって運動靴を履きGパンに万札一枚つっこんで家をでた。

「さあ、今夜は久しぶりに飲むぞ〜!!」と、足取りも軽く、団地のバス通りの右側を歩いていた。
運動不足を解消しようと手足を大きく前後に動かしていると対向車の運転手に見られているようでちょっと恥ずかしくなり、左側の歩道なら車は後ろから来るからあんまり気にならないだろうと、道路を走って横断した。
すぐその先にバス停があって、下からバスが登って来ているのが見えた。私がバス停に差し掛かったところへ丁度バスが来た。するとバスは‘キイ〜‘と止まり、プシューっと自動的にドアがカパっと開いた。
「どおぞ〜」って運転手さんの声。バス停には人は誰も居ず、あれ?わたくし!!??
わたしがてっきりバスに乗るために道路を横断してバス停に来たと勘違いされたんだわ。どうしよう。
ちがいます!!って説明するのも面倒くさい。えい!!バスに乗っちゃった。仕方ない、、、、この坂を降りた三つ先のバス停で降りてそれから先、また歩こうっと。お人好しマチャコはそのバス停で「止まります」のフブザーを押した。運賃は170円。やれやれ、せっかく万札一枚ポッケに入れてきたのに、つり銭ジャラジャラで膨れるのもやだなあ、と、思いながら
「お釣りください」と、運転手さんに一万円出して言った。
「困りますね〜、ここに書いてあるでしょう。五千円札、一万円札はお断りって」
よく見れば運賃表の下にプレートに書いてある。
「そんなあ、これしかないもんで、どなたか両替できませんかねえ?」と車中の人を見れば中学生らしき男の子が二名だけ。
だめだこりゃ!
「今度バスを見つけたらどこの路線でもいいですから170円払ってください。
会社には言っておきますので」と、いうことで無罪放免。

バァ〜ロ〜!あたしゃ乗る気なんかなかったよぉ〜だ!居酒屋まで肩をいからせぐれて歩いていった。
美味しいビールと美味な料理を頂いたが、何よりバスをツケデ乗った話が一番のつまみになっちゃった。ウップ〜!

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